(1)霧箱容器の底を作る
プラスチック容器の底を切り取って、アルミホイルとラップに変え、底面の冷却が効率よく行えるようにする。
① 箱の底面を図のようにニクロム線やステンレス線を加熱して、底から1cmほどの高さで水平に切り取る
② 切り取った底を上にして置き
a. 植毛紙をかぶせ、その上から底面に小さい穴を10個ほど開けたアルミホイルをかぶせる。植毛紙がぴちっとなるようにアルミホイルで押さえて、側面をゴムバンドで固定する。
b. ピンホールが開いたアルミホイルの上からラップをかぶせ、底面にしわがよらないように伸ばして、そのラップの上から更にアルミホイルをかぶせて、側面をゴムバンドで固定する。
黒紙は2枚ある。図のように切れ目が互いに180度ずれるように入れる。(黒紙の高さは上端から2~2.5cm下になるくらいにする)
(3)淡い飛跡の宇宙線やβ線がよく見えるように、照明は発熱の少ないLED光源(電圧12V)を霧箱の内部に設置し、斜め上方から飛跡を照射する。
(超高輝度LEDを直、並列で16個用いると蛍光灯の照明下でも明るく観察できる。発熱の影響を少しでも減らすためにLED群全体をラップで包んでセットすると飛跡がきれいになる)
(4)エタノール溜り用の脱脂綿リングを作る
(5)雑イオン除去用高電圧回路を作る(正常に動作するときはこの回路は必要ない)
この霧箱の動作に電場は特に必要としない。しかし霧箱内に雑イオンが多く残っていて飛跡が現れにくい時は、霧箱内に電場を加えるとよい。電場を作る高電圧回路の電源は4000~5000Vの小型高圧電源を利用するか、摩擦電気を溜める簡易ライデン瓶を自作する。霧箱上部に置く電場発生用のリング状ケーブルは高電圧がかかるので、高耐圧電線を用いるか,塩ビホース内にビニール線を入れて、高耐圧電線にする。
静電場を加える高電圧回路