11カ国28研究機関からなる国際共同実験OPERAは、2008年から2012年まで欧州原子核研究機構(CERN)から730㎞離れたイタリア・グランサッソ国立研究所(LNGS)に設置した総計1250トンの原子核乾板複合標的(ECC)にミューニュートリノを照射し、タウニュートリノへのニュートリノ振動の検証を行っている。ECCで反応したニュートリノについてタウニュートリノへ変化したものがあるかどうかを詳細に解析し、すでに3個のタウニュートリノ事象を報告している。現在までに総計約6000のニュートリノ反応を解析し、今回新たに第4番目のタウニュートリノ反応候補の検出に成功した。
本日3月25日、OPERA実験を代表してスポークスパーソン(G. De Lellis) がこの新たな反応候補事象を含めた最新結果をLNGSのセミナー(日本時間午後10:30~)で報告する。
セミナーの告知:http://agenda.infn.it/event/7799
プレスリリース:http://www.infn.it/comunicazione/index.php?…
OPERA実験はタウニュートリノへの振動の出現を、原子核乾板のサブミクロンの位置精度を生かし、生成されたタウ粒子の崩壊を直接同定することで、確認できる。計4個のタウニュートリノ反応候補の検出によりOPERA実験はタウニュートリノへの振動の出現を背景事象数から4シグマ以上の信頼度(99.999%)で観測できたことになる。
全解析反応の半数を担当しているOPERA日本グループ(名古屋大学、東邦大学、神戸大学、日本大学、愛知教育大学、宇都宮大学)は、この最新の結果を日本物理学会にて3月30日に報告する。
2014年3月25日 OPERA日本グループ