OPERA検出器に並べられたフィルムの中でロックミューオンが貫通したと見られるものを解析した結果(2006/08/18の記事参照)、その飛跡を実際に確認しました。OPERAフィルムはそれ自体がいくつもの記録層を持った光学ディスク(例えばDVD)のようなものであり、一組のフィルムから読み出される飛跡候補は約一億本、情報量にして約20GBにのぼります。この中から様々な方法で選別をかけ、顕微鏡での肉眼確認を経て最終的にたった一本の飛跡に辿りつきました。
3階建てビルに相当する巨大な実験装置の中から顕微鏡視野サイズにまで照準を絞り込む工程は、OPERA実験全体の中でも技術的な難所であるといわれてきました。今回の飛跡検出成功により、OPERA実験本番に向けての重要な一歩が踏み出されたといえます。