平成27年3月20日 プレスリリース

名古屋大学が(株)東芝と共同で、福島第一原子力発電所2号機原子炉内部の宇宙線ミュー粒子による透視に成功。

平成27年3月20日

 名古屋大学の森島邦博特任助教(エコトピア科学研究所・高等研究院)、中野敏行講師(理学研究科)、中村光廣教授(エコトピア科学研究所)らは、(株)東芝と共同で、原子核乾板を用いた宇宙線ミュー粒子(ミューオン)の測定により、東京電力福島第一原子力発電所2号機の原子炉内部の透視に成功しました。
 原子核乾板は、電荷を持つ素粒子を写す事が出来る特殊な写真フィルムであり小型で電源を必要としないため、現在も高い放射線量がある福島発電所内でも短時間に設置ができるという利点があります。
 これまでに、事故により炉心溶融が疑われる2号機と、健全な燃料が現在も炉内に存在する5号機で、ミュー粒子の測定を実施、データ解析を行いました。その結果、2号機透視画像の炉心領域の物質量は5号機より有意に少なく、シミュレーションにより示唆されてきた炉心溶融が起こっていることを裏付ける測定結果が得られました。
 今後、さらにデータ解析を進め、燃料の炉内残存量ならびに残存場所の推定を試みる予定です。
 本結果は3月22日の物理学会で報告します。

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