研究概要
本研究室では、物質の究極の姿として考えられる素粒子を対象に、それらの性質や支配する自然法則を解明するため実験的手法で研究を行っている。
これらの実験は、素粒子の飛跡を写真映像として記録する原子核乾板と、その飛跡を電気信号として記録できる他の検出器とを組み合わせた複合標的としているのが特徴である。

原子核乾板(Nuclear Emulsion)とは荷電粒子の飛跡を記録するフィルムである。原子核乾板に記録された飛跡は、顕微鏡・CCDカメラ・並列コンピューターを組み合わせた原子核乾板全自動解析装置で解析される。

右:自動飛跡読み取り装置と、その改良を続ける中野助手。
複合標的の原子核乾板と組み合わせる飛跡検出器の両方とも、新たに計画した実験のたびに新しい開発を伴う。
全自動解析装置は、最先端のエレクトロニクスを駆使することで、解析の能率や速度を向上させている。こうした方法で当研究室は、一度は世界でほとんど使われなくなった原子核乾板を研究の第一線によみがえらせた。原子核乾板は特に寿命の短い粒子の研究には欠かせない手段となっており、当研究室は世界のセンター的な存在となっている。
2005年6月現在、当研究室の構成員は丹羽教授を筆頭に、星野助教授、中村助教授、中野助手をはじめ約35名。主な研究内容は、「長基線ニュートリノ振動実験 OPERA」(文部省・科学研究費「新プロ」)、「ニュートリノ振動実験 CERN WA95 CHORUS 」と 「タウニュートリノ直接検出実験 Fermilab. E872 DONUT」である。
OPERAはスイスのCERN(欧州原子核研究所)で人工的に作ったニュートリノビームを730km離れたのイタリアのGranSasso研究所へ照射し、ニュートリノが質量を持つ事を証明するための巨大な国際共同実験であり、現在研究室の総力を結集して取り組んでいる。
CHORUS はスイスにある欧州原子核研究所(CERN)において国際共同研究で行われた。 また、DONUTはアメリカのフェルミ国立加速器研究所(Fermilab) においてアメリカとの共同研究で行われた。
所在地
理学部D館2階230号室
最寄り駅:名古屋市営地下鉄名城線 名古屋大学駅
連絡先
〒464-8602
名古屋市千種区不老町
名古屋大学理学研究科・物理・F研
Tel.: 052-789-2444
Fax.: 052-789-2864
見学希望の皆様へ
基本的に見学は自由です。
不在にしている場合も有りますので、見学希望日をあらかじめご連絡下さい。
右:荷電粒子が通過すると蛍光を発するシンチレーティング光ファイバー(直径約1mm)。